観望会の参加要領とガイドライン2004年10月 川越天文同好会 谷川 政敏 |
観望会を開催する時に是非覚えて戴きたいと思うテクニックがあるので参加者はマスターして臨んで下さい。又、活動のガイドラインを設け、同好会会員の了解の元に行いますので参加者は啓蒙活動の根拠として下さい。 |
☆ 一般則 ☆ |
公民館で開催することが多いと思いますが、一般対象と銘打っても子ども対象の間違いではないかと思えるほど子どもが多いです。夢と好奇心を持っているのは大人ではなく子どもなのです。大人は好奇心があっても恥ずかしさが先に立ちこのような場には1人では出難いのです。よって、すべての内容は子どもに合わせると都合良く進行出来ます。しかし、大人も純粋なる天体の前ではいつしか子どもに帰るので心配ご無用です。毎回用意するパンフレットの内容も子どもと同じで良いのです。一つだけ注意しなければならないのは資料を作るのに書籍から無断でコピーしてはいけないと言うことです。オリジナルな内容を作る努力を必要とします。 |
☆ 開催計画 ☆ |
ハイライトはなんと言っても「月面」です。よって、夕方の開催となるので上弦の月がある時を狙うことになります。(『天文年鑑』、各種天文雑誌参照)1回きりの開催なら月齢7(半月)位までが良いでしょう。月が在ってもその位の明るさならば暗い天体がかき消されることもありません。季節はご存知の如く、この辺(関東地方)なら北風の吹く冬型の気圧配置となる11月〜2月が適当です。公民館も活動のオフシーズンとか聞いているので好都合です。開催は土曜日。予備日は次が休みの日、つまりは日曜か休日となるように設定すると良いでしょう。なぜならこの季節、2晩に1晩は晴れる確立が高いからです。もし、曇ってしまって次の週に延期すると天侯は周期的に変化する為、同じような天侯となる確立が高くなります。また、月も大きくなるので影響が大となります。 |
☆ 開催の決定 ☆ |
現在の天気予報の的中率は3日前でなければ信用出来ず、ましてや星が見える見えないと言った内容は、降雨確立と違い微妙過ぎて予測不可能と考えて良く、目安にしかなりません。ハッキリ冬型の気圧配置なら安心感も大きいのですが、大抵はそこまで行かずに半端は状態なので判断に迷うのです。 お薦めはインターネットの気象衛星の画像で、可視光画像の雲の動きから数時間後の雲の位置を予測出来ます。関東の西方に雲が無ければ晴れになるのです。それでも予測が微妙な時には開催を3時間前に確定しても良いと思います。そこまであやふやなら雲に隙間が存在する確立が高く、その隙間から月や明るい星位は見える筈ですから、開催することを主催者(公民館など)に通知します。 |
☆ 天体望遠鏡の設置とガイダンスの準備 ☆ |
スタッフは開始1時間前の集合が理想です。集合したら打ち合わせをして準備に入ります。天体望遠鏡は開始30分前には設置を完了させます。極軸望遠鏡は短時間の使用なので大体北を向いていれば良いのです。経緯台でも解説しながら調整出来るので可です。設置は約3m間隔で東西に並べ、観察者を北側に整列させます。 |
☆ 観察会 ☆ |
室内でのガイダンスは慣れた解説者が1名と助手役が1名いれば済みます。日没後1時間位で星は充分に見え、観望会のスタートとなります。すべて日没を原点として時間割が作られます。西にある天体(主に月)から見始め、1天体につき10分を目安に見て行きます。1人1分以内で見てもらうと1台に付き観察者10人位が理想的な人数となります。1時間位やると子どもが飽きてきてチョロチョロしだすので終了の目安とします。雲が来て観察が進まない時には復習の時間を省略してでも観察を行います。相手が子どもなので会話が100%理解されることはありませんから臨機応変に対処する必要があります。小さな子ども向けに多少の補助が必要な場合があります。 |
☆ 曇天時の対応 ☆ |
不幸にして曇ってしまった時は観察場所に天侯と望遠鏡の見張りを置き、室内で天文関係の副教材(スライドやビデオ)を使った学習をします。解説は何人かで分担すると自分達の勉強になって良いと思います。天文クイズも復習になって良いと思います。多少の景品を用意します。(お菓子など)いつのまにか集まって来る天文グッズなどベストです。 |
☆ 後始末 ☆ |
望遠鏡を撤去したらもう一度地面を見て落し物が無いかを確認します。観察が終了したら時間も時間だけにお腹が空いて来ます。「宇宙食」と称して予め暖かい飲み物でも用意しておいて参加者全員で食べるのが良いでしょう。豚汁(☆型人参入り)やお汁粉(満月型餅入り)などがベストと思われます。 |
☆ ガイドライン ☆ |
一般を対象にした観望会は会員のみで行う場合と違い、同好会と社会を繋ぐ大事な行事です。それ故に社会的信用を伴いますから、無責任な対応は一切出来ません。よって、スタッフの要請に関しては確実に参加出来る方のみを募集することになります。観望会を引き受けて来たリーダーがまとめ役となり、人員を選定します。得られた報酬に付いては、スタッフの普通以上の協力に対して謝礼を分配した後、残額を同好会の会計に繰り入れます。謝礼の還元は反省会を兼ねた夕食で対処が良いと思われます。又、本会は埼玉県の文化関係協力団体として通年登録しております。 以上、 |